笑う門にはオレ様がきた!!
「心音、お前のお陰だな。」


と、私の耳元で師匠が言う。


「どうして…ですか?」


胸がドキドキして
上手く声を出せない…


「お前がいつも言ってるだろ?
笑う門には福きたるって


お前と一緒にいる様になって
毎日笑って過ごして


今まで目を向けなかった事にも
向けるようになったら
色んな事に気づけて…
変わったよオレ
自分でもそう思う。


だからさーーー」


抱きしめていた手を緩め
一旦体を離して私の顔をじっと見ると…


「心音、ありがとな。」


ってまた私の頭を
くしゃくしゃっってする…。


「師匠…」










師匠、
知ってますか?


私、師匠にそれされる度に
ドキドキして胸が苦しくなるって…


「ドキドキしてる。」


私の頭にあった手を
今度は胸に当て師匠が言う。


「し、師匠はしないんですか?」


なんだか自分ばっかりの様な気がして
恥ずかし紛れに言ってみる。


「してるよ。」


ほらって
私の手を取り自分の胸へと
持っていく。


手のひらに確かに
師匠の鼓動が伝わってくる。


本当だ…
師匠もドキドキするんだ。


同じなんだね。





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