笑う門にはオレ様がきた!!
師匠はいつもの様に
書類に目を通しながらご飯を食べる。


本当はゆっくりと食べて欲しいんだけど
忙しい師匠には無理な話で……


だけど、怯むことなく攻めるんだからっ!


「今年もあと半月ほどで
終わりですよねぇ。」


さりげなく言ってみる。


我ながら入り方は良いと思う。


「そうだな。」


相変わらず書類に
目を落としたままの師匠。


「あっ!そうそう、
もうすぐアレだな!アレ」


急に師匠が顔を上げていう。


キタァ~~~ッ!


アレですよアレ


師匠……、


恋人達のぉ~~


「忘年会だよな。」









ガクッ


「ぼ、ぼ、忘年会…ですかぁ。」


確かにあるわ、忘年会。


「お前初めてだろ?
うちの忘年会は毎年いい店でやるんだぜ。」


「わーい、楽しみだなー。」


一切の感情を外して言う。


「何だよ、その棒読みは、
さてはお前もしかして…」


そうです師匠ぉ~、
そのもしかしてです~
いいですかぁ?
もしかして
もしかしてぇ~
恋人たちが聖なる夜にぃ~


「正月休みの心配してるんだろ?」








ドタッ


直ぐに起き上がる私。


これくらいでめげてらんない。


てゆーか、してないし。


「心配するなって。
ちゃんと休みやるから
ゆっくり実家帰れよ
じいさん、待ってるぜぇ。」


そ、そうだよね、
お盆休みとれなくて
おじいちゃん随分、ガッカリしてたし…
少しは親孝行も…


って
イヤイヤイヤイヤ…
そうじゃなくてぇ。







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