笑う門にはオレ様がきた!!
「うぅっ、さすがに緊張する……」


目の前のオシャレなオフィスを前にして
私は少し…いや、かなり萎縮していた。


ああ〜もぉダメ、ダメ!
こんな時こそ笑顔笑顔!


『笑う門には福きたる』


田舎から出てくる時に
おじいちゃんに言われたんだ。
笑ってると良い事があるぞって。


私は背筋をピンと伸ばし
颯爽とオフィスへと入っていった。


緊張の中、朝礼で紹介された後
さっそく同じ事務の先輩である
坂井さんに色々と教わる。


坂井さんは私よりも二年先輩で
見た目は綺麗なお姉さんって感じだけど
実際はとても気さくで
話しやすい人だった。


慣れない事務仕事をしながら
気になっている事を
さりげなく聞いてみる。


「あの…社長は?」


実は入社までまだ一度も
私は堀江和を見ていなかったのだ。


入社の日にはさすがに会えるかと
思っていたのに、
さっきの朝礼でもその姿を見かけなかった…。


「社長?あぁ和さんのことね」


「和さん?」


随分と馴れ馴れしい呼び方に
思わず反応してしまう。





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