笑う門にはオレ様がきた!!
「そうよ、和さんね
彼は社長って呼ばれるのが
一番嫌なのよ。」


「はぁ…」


「それと、
和さんは大体お昼頃かな、
出社するの。」


「そうなんですか…」


手を動かしながらも
答えてくれていた坂井さんが
ふと、手を止めこちらを見る。


「もしかして……
あなたも和さんのファン?」


ファン?


確かに惹かれるものがあるけど
何かニュアンスが違うような…。


「ファンっていうか
社長…じゃなくて
和さんがデザインする建物に惹かれて
好きになりました。」


そうだよ。
私は和むさんが造る世界観が好きなんだよ。


真面目にちゃんと答えると


「えっ!?そうなの?
大体、うちの女子社員は
和さん自体を目当てで入社してるわよ。
あなた、変わってるわねぇ。」


「ま、マジですか?」


「マジよ。
だってカッコいいもん、和さん。
そういう私も和さん狙いだったりして…
と言っても雲の上の人だけどねぇ
さっ、仕事仕事!」


と言うと坂井さんは
また手を動かし始めた。




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