笑う門にはオレ様がきた!!
言われた通りエレベーターで
最上階に行き恐る恐る降りると…


そこはまるで異空間だった。


深い青色の絨毯が敷き詰められ


その踏み心地の柔らかさったら
何とも言えない…


そしてーーー


壁も


天井も


全て青


深い深い青一色


NAGOMUブルーだ。


所々にスポットライトが
ついているだけで


まるで深海に潜ったみたいだった…。


今の今までざわついていた心が
スッと…落ち着いていくのが分かる。


とは言え…
一体、なんでいきなり社長に
呼び出されるのか分からない私は


presidentと書いてあるドアを見つけると
ノックしてゆっくりとドアを開け
神妙な面持ちで中へと入る。


「失礼します。事務の住吉です」


と言って顔を上げることもなく
頭を下げた。


するとーーー


「知ってるよ、このヘラヘラ女」


どこかで聞き覚えのある声が……


「顔、上げろよっ。」


「へっ!?」


思わず出た間抜けな声と共に顔を上げると
目の前にいたのは…


さっきエレベーターで会った
汚なげな帽子を被った男だった。





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