君一色
笑って欲しい
和音side*
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「じゃ、行ってくるね。」
「はい!今日も夜遅いんですか?」
「うん。」
今朝もいつも通りの会話だけ。
「いってらっしゃい」と小さく上げた手を、
閉まったドアを見ながら静かに降ろす。
最近、高瀬さんは朝も早い。
帰りも私が寝た頃にしか帰って来ない。
何故か物凄く距離を感じた。
一人になる時間が増えたせいか、静まり返った室内に寂しさが込み上げてくる。
でも、寂しいなんて思っちゃだめだ。
無理やり気分を変え、今日一日は家の掃除に費やす事に決めた。