君一色



「本田先生って・・・」

「ーーーーーーっ」


さっきのことがあったからか、恐る恐るその名前を口に出す和音に対し
情けなくも反応してしまう。


またもや一瞬怯んだように思われたが
和音は続けた。



「ーーー大学時代から付き合ってた彼氏と結婚してるって、知ってました?」



ーーーえ?



違う。
先生は結婚を断られたんだ。

だからそのあと・・・


「お子さんも、いるらしいです。去年まで育児休暇とってたとか・・・」


「違う。何が根拠なわけ?」


そう言い返すと、和音はむっと顔をしかめる。


「信じられないなら会ってみたらいいじゃないですか!!」




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