愛し愛されて。



「出席とるぞー。浅川ー。」



はぁー、優ちゃんに
会いたいよ。

私は寝る体勢になった。



「橋本ー。久川ー。ん?久川ー?」



「奈々、あんたでしょ?」



「えー?」



前の席の杏奈が
私をたたいた。

でも知らんぷり。



「優ちゃん…」


「やれやれ、奈々ったら。」


「奈々すねんな。今日は会えるでしょ?」



隣の席の絵美が言った。



「今すぐ会いたいもん。」



「おーい、久川ー!おぃ!起きろ!」



バシッ!



「い、いったぁー。」


「朝からどうしたんだ!しゃきってしてろ!」



担任の熱血ぶりには
あきれる。



「…優ちゃんに会えなきゃいやだもん!」



あ、しまった。
つい本音が。
しかも大声で…



「「ヒューーヒューー!」」


「奈々。」


「おまぇらラブラブすぎだろ。」


「今から会いに行っちゃえば?」


みんな笑うな。

私にとっては大変なんだからな。

ん?会いに行く?
C組に? おお!



「橋本!それだぁ!先生会いに行ってもいいですか?」



私の目はキラキラ。



「だめだ。さっさと座りなさい。」



先生は私の期待を裏切った。



「(ボソ)先生なんて嫌い。」


「奈々ったら。」



私はまた寝る体勢になった。




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