オオカミヤローに捕らわれて
相変わらず引っ付いて来る安岡を引き離し、吹雪に声をかけるオレ。


「大丈夫だ。いつも通りにやればいいから」


そう言うと、吹雪の表情が和らいだ。


「ハイ……統牙様」


オレに微かな笑顔を返す吹雪を見て、道がニヤつく。


「いいねいいね~~♪統牙、花舞ってるぞ」


「ウルサイ、黙れ」


明るいけど低い声で道に言い放ってると、吉良が慌てだした。


「大変、砂糖が無いわ!伊達さん、私砂糖取って来るから紅茶の準備よろしくね」


「えっ!?吉、吉良さん!?」


「すみません、砂糖を取って来ますので、失礼します」
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