オオカミヤローに捕らわれて
やっぱり花火大会の日に統牙が付けたキスマークなんて、何の意味も無かったんだ。


ただからかっただけとか、そんな理由でしか無かったんだ。


バカだなぁ………私、ちょっとだけ期待してた。


統牙が私にキスマークを付けたのは……少しでも“特別”に思ってくれてるからだって、期待してたんだ。


そんな期待、するだけムダだったのに――――…


「へっ?でも…アレ?」


「この話はもう終りだ。オレ着替えて来るから、吉良に言っといて」


瞬きを繰り返し、不思議そうな顔をしている優牙お坊ちゃまを置いて、統牙はこっちに向かって来た。
< 298 / 430 >

この作品をシェア

pagetop