恋猫
「美化、悪いがこの文を鈴さまに渡してくれないか」
淳ノ介が美化に向って呟いた。
(あたい!またかよ~。あたいは飛脚か。折角、屋敷に帰って来たというのに。また、行くの。いやになるなあ。ええい、仕方があるまい。後、少しの辛抱だから・・・)
美化が不機嫌な顔で淳ノ介のそばに近付いた。
「美化、恩に着るよ。その代わり、お礼に好き好きをやって上げるから。それで勘弁しろよ」
淳ノ介が美化を抱き上げた。
(勘弁するする。それに、あたいは弱いんだ)
「ほーら、好き好き好きだぞ」
淳ノ介が自分の頬と美化の頬を擦り合わせた。
(うーむ。ええ、気持ち。極楽!極楽!)
にゃほほほ。
美化が何とも悩ましい鳴き声を出した。
「じゃ、この文を頼んだぞ」
美化を下に下ろすと、淳ノ介が文を美化の首に巻き付けた。