恋猫

 美化の瞳が異状に輝いている。
 次の瞬間、美化がいきなり鈴の喉元に向って跳び付いた。


 美化は、裂けるかと思うほど口を大きく開け、鈴の喉元に情容赦無く噛み付いた。




 「がぶッッッ」




 しゅぱ――ッ!



 真っ赤な血が飛び散った。と、同時に、美化は全身に相当の返り血を浴びた。





 「キャァァ~~~」




 鈴が大きな悲鳴を上げた。
 美化は、目を剥き、歯に全身の力を込めた。


 「むぎゅ~~」



 「むむむむム」



 (くたばりやがれ)



 美化が敵意を剥き出しにした。
 美化の殺意が最高潮に達した。







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