【短】迷子
《30まで結婚しないって…。男の30と、女の30は違うのよ》
《大殺界中の結婚は避けたいの。となると、3年は無理なわけ。するなら来年しかないの!》
口をとがらせた早苗の顔が浮かぶ。
成人式がきっかけで、付き合いはじめた。
あれからもう4年。
結婚してもいいと思えた相手だから、付き合ってきた。
だけど、最近では、
“結婚する意味”
を理解する前に、早苗との結婚を決めてしまったんじゃないか、と考えてしまう。
大きな瞳のチワワを見ながら、知らず知らずため息をついていた。
「………。ねぇ、ミヤビちゃん。男にも、マリッジブルーになるの?」
サトルの言葉に視線を上げた。
サトルの視線は、俺が渡した用紙に置かれたまま。
「えーっ!?そんなのわかんないよ。要さんの方が詳しいんじゃない?マリッジブルーって、男の人もなるんですか?」
そう言ったミヤビちゃんの隣で、サトルは視線を落としたまま。