いつか見る青
いきなりの展開に圧倒されてしまって、すぐには言葉が出て来なかった。


「お前は良い事した気になって自己満足に浸れるかもしれないけど、雇われている立場からしたら、そういう余計な気遣いはかえってウザイ事なんだよ」


……そうか。


そういう線引きは、きちんとしなくちゃいけないんだ。


紫叔父さんの口調は厳しいけど、でも、民さんをプロだと認めた上での正当な意見だった。


やっぱり、私はまだまだ世間知らずの子どもだな……。


言いたい事を言い切ったようで、叔父さんはフイ、と顔を逸らすと、そのまま歩き出そうとした。


「あ、あの、叔父さん!」


ピタリと動きを止め、叔父さんは思わず呼び止めた私に鋭い視線を向けて来た。


「気安く「おじさん」なんて呼ぶなよ」


「あ、えっと」


そ、そうだよね。


5歳しか違わないんだもん、「おじさん」なんて呼ばれるの嫌だよね。


「じ、じゃあ、お兄ちゃん……?」


叔父さんの目つきはさらに険しくなった。


「……「ゆかりさん」でよろしいんじゃないですか?」
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