いつか見る青
「おお、そうか。じゃあ、書類を揃えなくてはな」



言いながら、おじいちゃんはふいに体の動きを止めると、ラジカセに近づき、停止ボタンを押した。



「あ、すみません。まだ途中なのに、邪魔してしまって…」


「いや。気休めに運動しているだけだから。他にやる事がある場合は、当然そちらを優先している」


「食堂で待ってなさい」と言い残し、おじいちゃんはラジカセを手に、テラスからリビングへと入って行った。


私も急いで玄関にまわって家の中に入り、食堂に向かう。


すでに配膳は済んでいて、後はご飯とお味噌汁をよそるだけ、という状態で民さんが待機していた。


昨夜と同じ席に腰かけ、今日の予定について民さんに報告していると、おじいちゃんが大きな茶封筒を手に姿を現す。


「この中に同意書と私の保険証が入っているから。無くさないようにな」


「あ、はい。ありがとうございます」


私はそれを両手で受け取り、念のため中身を確かめた。


確かに保険証と、自署捺印してある同意書が入っている。


ほんの数分の間にこれだけ用意できるなんて、おじいちゃんて手早だな。
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