いつか見る青
「その代わり、夜更かしができないんです。なので試験の勉強などは朝早くに起きてやってました」


「いや、理想的な生活じゃないか。だから学校の成績も良かったんだな」


おじいちゃんは上機嫌な笑みを浮かべながらウンウンと頷いた。


「勉強といえば、編入試験の勉強はしているか?もう来週に迫っているが」


「あ、はい」


話が逸れた事に内心ホッとしながら返答する。


「そうか。まぁ、気負い過ぎないように、頑張りなさい」


「ありがとうございます」


そこで民さんがご飯とお味噌汁のお椀をそれぞれの席の前に置いてくれたので、自然とそれが食事開始の合図となった。


いただきますと唱え、箸を手に取る。


その後は特別会話はなく、お互い黙々と食事に没頭した。


当然のことだけど、この家に引っ越したのを機に、私は転校する事となった。


都内にある、私立の高校。


紫さんの母校でもあり、そして今彼はその大学部に通っているのだ。


秀ちゃんがネットで調べてくれたんだけど、「歴史と伝統のある、なかなかの名門校」との事だった。
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