いつか見る青
出掛ける時にはなかったベージュのパンプスと、某有名スポーツメーカーのスニーカーが揃えて置いてあったからだ。


「ここに預けとけば民さんがバランスの良い食事を出してくれるし、それに勉強見てくれたり遊んでくれたりする相手もいるし、ホント助かってたのよー。ウチは夏休みこそ忙しさがピークだから、この子に構ってる余裕なかったし」


リビングの方から、何やら賑やかな声が聞こえて来る。


「父と私は診察で母は受付でしょ?まぁ、医院と自宅は繋がってるし頻繁に行き来してたんだから一人でお留守番させてても特に問題はなかったんだけどね。この子、かなり小さい時から自分の事は自分でできてたし」


「未来さんはしっかりしていらっしゃいますものね」


「だけど、やっぱせっかくの夏休みなんだからどこかには遊びに行かせてやりたかったし、この子自身も毎年ここに来るの楽しみにしていたみたいだったから、ついついおじ様のご厚意に甘えちゃってたのよね。今年も『受験勉強の息抜きにどうだ?』って誘われて、速攻で『お願いします!』って答えちゃった」
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