いつか見る青
「あ、ごめんなさいね。一人で勝手に盛り上がっちゃって」


ハタと気づいたようにそう言うと、女性は先ほどよりも落ち着いた口調で続ける。


「初めまして。私、高田今日子です。で、これは息子の未来」


「あ、はじめまして。大音葵です」


そう答えている間に、今日子さんの隣に腰かけている【これ】と呼ばれた中学生くらいの少年は、それまで熱中していた携帯ゲーム機から顔を上げると、「はじめまして」と言いつつ私に向かってペコリと頭を下げた。


だけどすぐにまた、視線を元に戻してしまう。


「こら、みらい!こんな時くらいゲームは止めなさい!」


「だって、さっきから母さん一人で喋ってるんだもん。俺が会話に加わる必要ないじゃんか」


「そういう問題じゃないでしょっ」


「キリの良い所で終わらせるから、ちょっと待っててよ」


「まったくあんたって子は……。あ、葵ちゃん、そんなとこに立ってないでこっち来れば?ちょっとお話しましょうよ」


今日子さんは右手で「おいでおいで」と手招きしながら自分は再びソファーに腰かけた。
< 140 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop