いつか見る青
「もちろん、世間一般では文句なく男前に分類されるとは思うんだけど、私の好みではなかったのよ。私、こってりソース顔じゃなくてあっさりしょうゆ顔のがタイプだから」


そこまで話したところで、今日子さんはふいに何かに思い当たったような顔で問い掛けてきた。


「……ちなみに葵ちゃん、しょうゆ顔とかソース顔とかって意味分かる?」


「えと、すみません。よく知らないです……」


「うわー。やっぱり?なんかショックー!こういう時にひしひしと時代の流れを感じるわよね~」


今日子さんは額に手を当てながら大きくのけ反った。


「あの、それで、その後どうなったんですか?」


その件について話を広げないのは失礼かとも思ったんだけど、早く本筋に戻ってもらいたくて、私はドキドキしつつ問い掛けた。


「あ、ゴメン。また脱線しちゃった。そうそう、そんな訳で、碧君と話し合って最終的に『そのうち正式に婚約解消しよう』っていう結論に至ったの」


しかし今日子さんは気分を害した様子はなく、サクサクと話を進めた。
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