いつか見る青
ここまでも充分、私にとっては興味深い内容だったけど、話はいよいよ佳境に入って来たようだった。


私は思わず身を乗り出し、今日子さんの次の言葉を待つ。


「碧君は碧君で、その頃すでに住み込みで働いていた瑠璃さんの存在がとても気になっていたみたいで。きっと私と同じ流れで自分の気持ちを自覚したんでしょうね」


今日子さんはやれやれ、という感じで肩をすくめ、苦笑いを浮かべた。


「まったく、お互い気付くのが遅すぎるっつーのよね」


そこで一休みするように、今日子さんは再び紅茶に口をつけた。


カップをソーサーに戻しながら、それまでより軽めの口調で言葉を繋ぐ。


「そもそも、考えてみたら私、碧君の顔って別にタイプじゃなかったのよね。いや、小さい時は可愛らしい感じでドストライクだったんだけど、大きくなるにつれてだんだんしっかりはっきりした顔立ちになってっちゃったからさ」


今日子さんの言う事はもっともで、写真を見る限りでは確かに、お父ちゃんは彫りが深くて一見ハーフっぽい顔立ちをしていた。
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