いつか見る青
間違えたり悩んだりしていたら時間のロスだし、事前にざっと取り扱い説明書を見てから操作した方が手っ取り早いだろうと判断した。


いつ、誰が利用するか分からないリビングで携帯を操作してても集中できそうになかったので、荷物を手に取ると、急いで自室へと向かった。


多分送信する頃には会議が始まってしまっているだろうけど、そこは別に問題じゃない。


会議中は当然音が漏れないようにしておくだろうからご迷惑をおかけする心配はないし、とにかく神崎さんが後で携帯をチェックした時に私が「すぐに返信した」という事が分かる証拠を残しておきたかった。


こういう立場になって初めて『携帯って(特にメールって)便利なものなんだな』という事が実感できた。


部屋に入り、勉強机の前に腰掛け、紙袋から携帯の取り扱い説明書を取り出す。


目次でメールに関する項目を見つけ、急いでそのページを開いた。


こんなに何かに追い立てられるように調べものをした事なんて、果たして今まであっただろうか?


だけど、何だかすごく楽しくてウキウキとして、体全体に気力がみなぎっている。
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