いつか見る青
私と同じように民さんからの電話を受けて、部屋を出て来たのだろう。


「おぉ、未来か」


紫さんはそれまでの仏頂面を途端に綻ばせ、私の隣に並んで立った未来君に向けて言葉を発した。


「良く来たな。待ってたぜ」


「今年もお世話になります」


「ああ。メシはもう食ったか?」


「ちょうどこれからいただく所です。紫さんも来ますよね?」


「そうだな。お前がいるなら、一緒に食おうかな。すぐに着替えて行くから、民さんにそう言っておいてくれよ」


「了解です」


紫さんは私の脇をすり抜け、そのまま階段を昇って行った。


「じゃ、行きましょうか」


その背中を見送っていた私は、未来君の声に、とっさに反応する事ができなかった。


「葵さん?」


「え?あ、うん」


私は慌てて未来君に向き直り、すでに数歩先を行っていた彼の後に続いて食堂へと向かう。


……やっぱり似てる。


私は内心、とてもドキドキしていた。


紫さんの笑った顔、写真の中だけで知るお父ちゃんの笑顔に、すごく、そっくりだったから……。
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