いつか見る青
「なんかすごい…。のどかな所ですね…」


神崎さんはクスッと笑った。


「東京といってもここは端の方ですからね。しかし、最寄駅まで裏道を使えば徒歩で15分ほどですし、電車に乗ってしまえば都心まではあっという間ですから。さほど不便という事はありません。むしろ住むには最適な場所ですよ」


神崎さんの解説を聞きながら私は改めて目の前にあるお屋敷を見た。


広い敷地面積。


測量の知識はないけど、今まで見聞きしてきた記憶と照らし合わせると、多分200坪くらいの広さがあると思われる。


ここら辺一体が高級な住宅街って感じだったけど、美山邸はその中でもひときわ立派なたたずまいだった。


敷地の周りはグルッと鉄柵が取り囲んでて、その隙間から背の高い植物が等間隔で植えられているのが見てとれる。


それがうまい具合いに目隠しになっていて、内部までは人目にさらされる心配はなかった。


門から見える、青い屋根、アイボリーの外壁の2階建てのその建物は、純粋な日本家屋ではなくて、洋館っぽい造りだった。


絵葉書でしか見たことないけど、北海道の時計台みたいな雰囲気。


レトロな感じでセンスがあって、すごく可愛い……。
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