いつか見る青
「まだ若いのに嫌な顔一つせずテキパキと働くから一緒にいてすごく気持ちが良いって。「美山さん家は民さんや瑠璃ちゃんみたいなお手伝いさんがいてすごく羨ましい」なんて言ったりして。父は聞こえないふりをしていましたが」


神崎さんはまたもや苦笑しながら続けた。


「私の家はお手伝いさんに来てもらえるほど余裕はなかったですからね」


謙遜してるけど、神崎さんだってそれなりのお家の人なんだろうな、というのは予想がついた。


ここら辺一体が高級住宅地って感じだもん。


駅からの距離とか、大通りに近いかどうかで土地の値段はまた変わってくるだろうけど、ここから徒歩10分てことはそんなに差はないハズ。


神崎さん、見るからに上品で育ちが良さそうな人だもん。


きっと由緒あるお家なんだろうなと思う。


民さんと神崎さんの話が盛り上がっているので、何となく一人ぼーっとしてしまった。


そんな私に気がついたのか、民さんが声を掛けてきてくれた。


「葵さん、良かったら後で私の部屋をご覧になりますか?」


「え?」
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