いつか見る青
だからお母ちゃんは高校3年生になって就職活動を始めたんだけど、中々思うように進まず、そんなある日文房具を届けに来たミヤマ文具店の社員さんが「社長のお宅でお手伝いさんを探している」という話を院長先生にしたらしい。


「それなら、ぜひともうちの瑠璃ちゃんを雇ってあげて欲しい」と院長先生が推薦したんだけど、美山家としてはもう少し年配のベテランの方を雇うつもりだったらしくて「若い子に家政婦が勤まるのだろうか?」と最初は躊躇したらしい。


でも、お母ちゃんは孤児院で率先して炊事や洗濯や小さい子の世話をしたりしていたから家事はお手のものだったし「働けるんだったらどんな職種でも喜んでやらせていただく」っていう考えだったから、最終的には雇ってもらえることになった。


「奥様はもともとあまりお体が丈夫な方ではなかったんですが、紫坊ちゃんをお産みになってからさらに体調を崩されることが多くなって…。初産ではありませんでしたが、やはり40歳過ぎてからの出産というのはお体に負担がかかるんでしょうかねぇ…」


民さんが、しみじみとした口調で言葉を繋いだ。
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