いつか見る青
大旦那様と大奥様ってのは、私にとってはひいおじいちゃんとひいおばあちゃんのことだよね…。


つまりミヤマ文具店創設者の五平さんと奥さんのふみさん。


私が産まれる前に亡くなってたのか。


残念だな。


できることなら、一目会ってみたかった。


その時、部屋のドアがコンコンとノックされた。

「民さん」


紫叔父さんが姿を現す。


「明日母さんのとこにちょっと顔出すつもりなんだけど、今度来る時に薄手のカーディガンを何枚か持って来て欲しいって頼まれてたんだ。俺よく分からないから、タンスから出しておいてもらえないかな」


「あ、はいはい。ただいま参ります」


民さんは慌てた様子でドアへと近付きながら、ふと、壁の時計に目を向けた。


「あら、いけない。もうこんな時間。すみませんでした。お二人とも長旅でお疲れなのに、立ち話してしまって」


「いえ、母の話が聞けて、とても嬉しかったです」


私は心の底からそう答えた。


「私の部屋へは後でご招待いたしますね、葵さん」


笑顔でそう答えたあと、民さんは姿勢を正し、言葉を繋いだ。
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