いつか見る青
食堂に鎮座していたテーブルはすごく大きくて、最初見た時はビックリ仰天した。


なんたって椅子が10脚も置けちゃうサイズなんだから。


一番奥の、部屋を見渡せる位置に置いてある椅子は多分おじいちゃんが座るべきものであろうことは分かったけれど、私はどこに座れば良いんだろか?


ぼーっと立ち尽くしていると、神崎さんがやさしく背中を押して、おじいちゃんから見て左隣となる席まで誘導してくれた。


そして神崎さんは私の左隣へと腰掛ける。


……良かった~。


神崎さんと隣同士で。


離れて座る羽目になったら、何か心細いもんね。


ほどなくして、紫叔父さんが姿を現した。


叔父さんはチラリとこちらを見てから、私達とは対面の、一番離れた入口近くの席に腰掛ける。


「あら、紫坊ちゃん。せっかくですから、もっと皆様の近くにお座りになったらいかがですか?」


奥のドアから、ワゴンを押しつつ現れた民さんが驚いたように声をかけた。


「いや。いつもここだし。場所が変わると落ち着かないからさ」


「そうですか?」
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