いつか見る青
ついつい油断しちゃった。


お母ちゃんの事思い出して、心がすごくリラックスしちゃって、ここにいる人全員、昔から一緒に暮らして来た家族みたいな錯覚に陥っちゃって。


調子に乗っちゃいけないな……。


「ところで葵、部屋の様子はどうだ?」


微妙な雰囲気になってしまったその場を取り繕うように、おじいちゃんが先ほどよりも明るい口調で問い掛けてきた。


「他に何か欲しい物があったら言いなさい。民さんに手配してもらうから」


「あ、いえ」


私も声のトーンを極力上げて、急いで返答をする。


「あれでもう充分です。ありがとうございました」


「そうか?今時の高校生ならDVDだのゲームだの、欲しがるものなんじゃないのか?」


民さんと同じような事を言っている。


「いえ。特に必要ではないです。それに私そういう物には疎くて…。どういう風に選んだら良いか分からないし」


「差し出がましいようですが」


私の発言を聞いて、神崎さんがにこやかに会話に加わってきた。


「葵さん、携帯電話をお持ちではないようなんですよ」
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