お見合い学園物語
「誰か近くに居るの?誰か…」

さっきは、
確かに聞こえた声今は何も聞こえない。

「みなさん、非常事態が発生しました…。
この空間に歪みが発生し、妖精の力を発揮出来なくなりました。至急テントを、送りましたので原因解明迄、そのダンジョンから、抜け出さないようにお願いします」

「…歪みって…もしかして、戻れないの…」

私は、一気に不安になった。

“ガシッ”

何かに肩を捕まれる。

「おいっ…大丈夫かっ?」
私は、心臓がビクっとなり、びっくりした。

「ショウゴ君…?」

びっくりしたのか人に安心したのか、力が抜け下に、倒れそうになった。

「あの二人は見つかったから大丈夫だっ…。
調理場に…、
っておいっ…大丈夫かっ?」

「…ちょっと、
気が抜けたみたいで、
腰が…」

そういうと、ショウゴ君が、肩をこっちに向け、
照れくさそうに、
言ってきた。

「だらしねぇなっ
ほらっ乗れよっ…、
こんな所で、
一人置いていけないしなっ」

「いっいいよっ、私は大丈夫だから…」

「早くしろっ…あぁ〜めんどくせぇ」

ショウゴ君は私を、
無理やり、お嬢様抱っこし抱き抱えた。

「バ‐チャルなのに、
ちゃんと重さはあるんだなっ」

顔を赤らめ、
少し体温が伝わって来た。

「えっ!?…なっちょっと…」

ショウゴ君から伝わる変な感触に体が、少し反応する…。

「わりぃ…、
俺女の人とこうして、
触れ合うとか初めてで…」


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