××倶楽部

 お兄ちゃんは、今日も絶好調にアキバ系でチェックのネルシャツを茶色いズボンにインしてる。すると、その後ろに細身の女の子がいることに気がついた。


「あら、お兄ちゃん、お客様?」


 お母さんも空になった洗濯物かごを片手に首をひねりながら、リビングに戻ってきた。


「芽依、典くん、悪いけどソファーあけてあげて、お客様をフローリングに座らせるわけにいかないから」


 私も典も、うんと頷いて床に座った。


「こちらは、芳原雫さんです」


 雫さんは緊張しているのか、ガチガチになって頭を下げる。黒いフリフリのスカートの丈は短く、細い足にニーソックス。

 これ、あれかな、コスプレファッションてやつかな? 頭に大きなレースのリボンのっちゃってるし。

 お兄ちゃんが好きな美少女戦士のアニメに出てきそうなかんじの可愛い女の子だ。


 


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