××倶楽部

「それを芽依に聞かせようとするところが、やっぱり狡い」


 社長の視線の先には、いつもリオ様がいた。

 どんな邪魔が入っても、二人には引き裂けない繋がりがあって、それを知ってるのは他でもない社長とリオ様自身なんだと思う。


「もう一回僕からプロポーズされようとしてます? だったら大間違いですよ」


 ああん、もう社長! そこは一歩下手に出て、リオ様をたてればいいのに!


 普段、何事も器用にこなす社長が、リオ様の事となると、殊更不器用になる。

 これだから、リオ様のサディスト魂にも火がついちゃって喧嘩別れしちゃうんだ。



 だけど、リオ様はフッと吹き出す。



「それもそうよね。芽依ちゃん」


 リオ様は社長が離れる。くすくすと笑いながら、私のほうを見た。


「こういう時、普通の女の子なら、なんて答えるの?」


「えっ……」


 嘘でしょう? あのリオ様が折れた?


「えっと、そうですね……」


 ごめんなさい、って謝って、もう一度プロポーズしてください、って言えばいいんだと思うけど……だめだめ、そんなのリオ様らしくない!





 
 
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