××倶楽部


 私は、高校生の時に私の処女を勝手に奪って黙っていた典に罰を与えた。


『典って体だけが目当てじゃないよね?』

『はあ? 自分の体にどんだけ自信あるんだよ』

『何それ! 酷いっ! もういいよ……』


 それじゃあ、次のクリスマスが来るまで典とは寝ないから! エッチ禁止!


 付き合ってすぐに、そんな約束をした。どうせ典は守れるはずがない。だって勝手に私の処女を奪った男だ。

 だけど、典は静かに頷いた。


『それで芽依の気が済むなら、いい。俺の本気さもわかるだろうし、ちょうどいい』と約束してくれた。


 それから、私に指一本触れてこないお付き合い。一からやり直せると思ったんだけど、大誤算だった。

 自分で言い出しといて、先に苦しくなったのは私のほうかもしれない。


 この日を待ちわびてたのは、典だけじゃない。


 それに、付き合いはじめたからって典に女の子が言い寄ってこない保証はなかった。


 浮気されたらどうしよう……

 本気じゃなくても体だけとか……典なら有り得るかも……

 そんな不安を抱えて、今日を迎えた。


「典、ほんとの本気で我慢してた?」

「当たり前だろ! 俺は世界で一番芽依が好きなんだよっ!」


 毎日言ってくれる、この台詞。

 腕を引かれて、典の胸に飛び込んだ。


「私も好き……けっこう辛かった……」


 うわぁん、典の温もり、典の匂い……もう感激で泣きそう。全部、全部許してあげたくなる。




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