××倶楽部

 だから、摩夜さんは安心して放浪していられる。聖夜にとっていつも家族は特別。



「母さんが一時退院した最後の日に、父さんと三人でここに来たんですよ。僕には刺激的すぎましたけどね。

 でも母さんは車椅子がないと歩けないほど弱っていたのに、自分で歩きました。背筋伸ばして、しっかりと。だから、一位の場所は、その時達成できたから思い残すことは何も…………」



 聖夜が言葉に詰まった。


 またあの時のビー玉の目をした聖夜に戻ってしまいそうで、私は慌てて聖夜を抱きしめる。


 私、聖良さんになりたかったんだ……


 マーベラスで働こうって決めて、ナンバーワンになることだけに一生懸命になった。

 ナンバーワンになれたら、今度はそれを守るに必死で、でも聖良さんみたいにはなりたくないともどこかで思ってた。


 私は私なんだからって……対抗意識燃やして。


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