××倶楽部

 私もできるだけ低姿勢に呼びかけた。ふと、背後に視線を感じてリオさんと目が合う。


 

 ぞくりとするような冷たい視線─────



 その視線は私だけに向けられていて、リオさんは私が振り返るとすぐに優美な笑みに変えてヒラヒラと手を振った。



「どうかしました? 町田さん」


「いえ……大丈夫です。どうしたら鍵開けてくれますかねー、スミレ様! 開けてくださーい」


 なんだろう。すごく嫌なかんじがした。



「スミレ様、私か社長だけを中にいれてくれませんか?」


 ドアからは、やだって言ってるでしょ! とヒステリックな声がする。


「仕方ありませんね」

 社長はため息をつく。


「スミレ様ぁ……お願いします。社長が超心配そうな顔してますよー」


 ドアに耳をつけてみた。反応がない。


「はあ、町田さん、女王様たちには内緒の奥の手を使いましょうか……」


 奥の手? と首を傾げると社長はスーツの内ポケットから鍵を取り出した。

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