××倶楽部

『やっほー、芽依。元気に社会人してる?』


「奈美! 元気、元気。そっちはどう?」


 奈美は、アパレルメーカーに就職した。洋服や靴を扱う会社で、奈美が先に内定が決まり、友達の幸せなのに、私はちょっと悔しかったのを覚えてる。


『それがさぁ、アパレルなんて新人はバイトくらいにしか思われてないみたいで雑用ばっか。仕事は見て学べ、なんて言われちゃって、同期の子たちと想像と違うねーて毎日不安ばかりだよ。芽依は?』


「へー、そうなんだー。こっちも想像とかなりっ、かけ離れてたけど、社長も優しいし、先輩は怖いけど何だかちょっと楽しいかも、なんて思ってたとこ」


『いーな! 楽しいなんて全然思えない。芽依、社長が超イケメンって騒いでたもんねー。もしかして、社長夫人狙ってる?』


「あはは、社長でかっこいい人がモテないはずないでしょ? ライバル多すぎて、私なんて……」


『でも、芽依には典くんいるからねー。私も一回くらい遊びで付き合ってもらえばよかった! 幼なじみの芽依がうらやましいよ。典くん最近ますますいい男になったもん』


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