あのころ。





そのころ私もすぐに寮で友達ができた。


何人かいるんだけど、

その中でもちょっと変わってるなって子が

その子、橋田 美奈子(ハシダ ミナコ)だった。






寮の階もクラスも同じ、趣味も似てて話が合う子。

着てる服がいつも特徴的で、

ちょっと影でウワサの対象になっちゃう感じの子だった。





私は美奈子の服に興味があったから

1日だけおそろいのやつを借りて着て予備校に行ったんだ。







ちょっと派手で目立つ服。







そんで、入学早々の席替えで一番前の席になってしまった私がそんな格好してたら、

ほら…やっぱり。




ちょっと予想はしてたけど、

やっぱりあの騒がしい二人に目をつけられたみたい。




こっち見てちょっとコソコソ話してると思ったらすぐ近づいてきて、






「あの、すいません(笑」

「ちょっと立って全身見せてもらっていいっすか?(笑」

「それ、コスプレとかですか?(笑」

「またその格好してきてくださいよ(笑」





みたいなことを立て続けに言われた。

ちょっとびびってた私は言われたとおりに立ってみせたけど、

ほんともう恥ずかしくて死ぬかと思った。

だからこういう男子って苦手なのに!








そしたら背の低い方が

ちょっと照れたみたいに笑ってきて、






「あの、俺そーゆーの好きですよ、似合ってると思う、し」






なんて言ってきて。

からかわれっぱなしだと思ってた私は

不覚にもそんな不意打ちにちょっとどきっとしてしまったけど





やっぱりそいつは全然タイプじゃないので

それ以上ココロは揺れなかった。








ちなみに美奈子も同じような格好してるんだから美奈子にも声かけてきなよ

って言ったら、

二人して






「「いや、ちょっとあの子は…」」





なんて敬遠。

まあ確かに一匹狼ちっくで変わった子だけど。

いい子だから狙うなら美奈子だと思うんだけどなぁ…?















その日から私とその二人の間には、


妙な親睦がうまれてしまった。












今思えば。





あのとき美奈子に服を借りなかったら


こんな思いはしなくて済んだのかもしれない。





















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