~ Sweet Chocolate ~
違い過ぎる日常。
「何事も挑戦から始まるんや!て、友亮が言ってた。」
「やからって、フリフリのスカートは無理や!」


ここは、大阪。
大阪言うても、京都よりの大阪。
所謂、都会ぶっとる田舎やと思う。
そんな所に住む僕は引き籠もりのフリーターで、世間で云う″落ちこぼれ”。
高校も中退し、夢もなく、特技もなく、興味ないバイトをしてるだけ。
毎日同じ繰り返しに飽き飽きし、何度自殺を考えたんやろか。
自分の汚い部分、他人の汚い部分を見付ける度に嘲笑ったんは何回やろか。
キラキラ輝く将来なんて、何処を探しても見付からん。
生きてる意味なんて、産まれた時から知らず、いつの間にか19歳になってた。
後一年で、成人。その日が、僕の人生の最終日になる。
其れまでは、暇つぶし程度で日常を過ごす。

「なん、ボーッとしとん?」
「何分も待たされたら、ボーッともするわ」

ごめん、ごめんと口先だけで謝るのは親友の佐伯 雅(サエキ ミヤビ)。
高校の時からの親友で、喋ると残念な奇抜で天然な女の子。
最初は興味無かったけど、いつの間にか必要不可欠な存在になってた。

「で、何買いに行くん?」
「特に決めてないけど、可愛いの」
「可愛い系とか似合わんのに」

鼻で笑いながら言葉を漏らせば、煩い!なんて言いながら歩き出す。
一足遅れ、雅の背中を追い、ソッと手を取る。
手から感じる人の暖かみに少し気持ちが穏やかになると同時に虚しさも感じた。
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