甘い唐辛子


霞澄はキョロキョロし、辺りを見回した後、ため息を吐いた。



霞澄のため息は鼻から抜ける。

無表情の中に微かな呆れを含ませた顔でそのため息を吐かれると、本当に自分がダメな奴に思えてくる。


霞澄は手に持っている紙を見て、またため息を吐き、ホールを静かに歩いて来た。

その間ずっと、ホールにいる全ての人間の視線を受けているのに、霞澄は素知らぬ顔で進んで来る。

< 136 / 212 >

この作品をシェア

pagetop