甘い唐辛子
「久々だなぁ。俺に会いに来たのか?」
「そんな訳、ありえない。」
「相変わらずヒドイなぁ~、はっはっはっ。」
大山は霞澄との距離を詰めながら、作り笑いをしていた。
「お前は何故ここにいる。」
冷たい声に、大山は喉の奥で笑った。
俺は海と顔を見合わせ、担任と霞澄がなぜ知り合いかを、お互いに目で聞いたが、お互いに知るはずもなかった。
「俺、教師になった。音楽。因にここ、俺のクラス。」
霞澄の真ん前で、ニコッっ笑ってみせた大山に、霞澄は鼻から抜けるため息をした。
あの呆れ顔も添えて。
「お前、先生なんてできたのか。」
「カズ、酷いな…現にこうやってクラスもって、担任してるぞ?」
「そう。なら、この生徒、わかるよな?」
霞澄はさっきの紙を大山に突き付けるようにして見せた。
大山は一瞬目を見開いたが、すぐに細めて嫌な笑みを浮かべた。
「俺みたいに派手な格好だから、すぐに見つかんぞ。」
「派手という自覚があるなら、なぜそれをする。それに、ここには派手な奴しかいないじゃないか。」
「ま、頑張って探せ。じゃ、俺はたこ焼き買ってくる。」