甘い唐辛子
私はこの目を、態度をよく知っている。
目は期待を、
態度は焦りを表していた。
お父さんはキッチンへと海堂の人間を案内し、私はまた虎太郎に捕まった。
「あらぁ、海堂の組長さん、よくここまで来てくれましたね。ささ、どうぞ?」
玄関まで出迎えに来なかった藤成の姉御は、既に席に座り、白ワインのビンを開けていた。
心の中で大きなため息を吐いて、呆れた。
後でお父さんに言ってもらわないと、藤成はこの女のせいで潰れてしまう……
一応、私からも注意しておくか……
「姐さん、お久しぶりです。」
「霞澄ちゃん、久しぶりねぇ。どう?ちゃんと私、家にいるでしょ?」
軽く酔っているのか、いつもとは違う口調で話しかけてくる。
私は隠すのも忘れ、大きなため息を吐いた。
「いらっしゃるのはいいことですが、この世界の人間が家に来ているのですから、あなたは姉御として玄関まで迎えに行ってください。」
「だあって、酔ってるから歩けないもの。」