甘い唐辛子

食事中、私の膝の上もしくは隣の席には常に虎太郎がいて、あまり料理の味を覚えていない。


維十はお父さんとずっと話していて、組長は1人気まずそうに黙々と料理を口に運んでいた。


「海堂、早く息子を組長にした方がいい。」

「は…」

お父さんの急なフリと言葉に、組長は間抜けな声を出した。


つくづく情けない人だと思う…


「息子の方が、この世界に詳しいし、度胸も据わっている。息子の方が、この世界に合っているように思うが?」

「はぁ…まぁ…」

「まあ、考えるだけ考えておいた方がいいだろう。」

「わかった。考えておく。」


お父さんが言うのもわかる。


さっきの挨拶の時も思ったことだ。

維十の方が、海堂を支えて行ける。


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