甘い唐辛子


――――――――――

「あの情報の発信者がわかった。」

お父さんの部屋に入るなり、お父さんに腕を引かれ、更に奥の部屋…お父さんが重要な取引や、誰にも聞かれたくは無い話をする時に使う部屋へと押し込まれた。


私の目線に合わすように腰を曲げたお父さんは、眉間にシワを寄せ、強い目で私を見つめてそう言った。




「……それで、誰でしたか?」


私も、お父さんも同じように考えていたようだ。



婚約する半年前にきた、『海堂が急に力を付け始め、1年後には藤成をも超える勢いだ。このままでは、藤成は海堂の下につく事になる。』と言う情報。

あれは、明らかにウソだ。

でも、この世界でそんなウソの情報を流せば、そいつの命は無いと言える。

ウソを流せば、それはこの世界を裏切る行為と見なされ、一刻も早く抹消する。
それがこの世界での考え方だ。

藤成では力があった為か、そんな事は無かったが、婚約の半年前にとうとうウソを聞かされた。


これは、藤成への挑戦状となり、藤成を敵にまわすと言うことになる。



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