甘い唐辛子


親父は慌てて家具や寝具を高級な物に新調し、霞澄が使う予定の部屋にはこの家で1番高い掛軸と、壺を飾った。

家計的に、凄く無理してると思う…


バタバタと、慌ただしく日々は過ぎていき、あっという間に1ヶ月が経った。


その日、霞澄は動きやすいズボンとダボついたセーターを着ていた。

今は3月。

まだ肌寒く、霞澄の格好では寒いのでは、と心配した。


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