君という海に溺れる
そんな私を見てケラケラと楽しそうに笑うアダム。
その顔があまりに可愛かったから、流れていたはずの涙も自然と止まって。
体の奥から溢れてしまいそうになる愛しさ。
ずっと、ずっと見ていたい。
彼の海のように深い微笑みを。
きらきらと光を反射する水面のような瞳を。
綺麗な綺麗なアダムの笑顔はいつだって私に勇気をくれる。
背中を押してくれる。
(だから、向き合えるんだ)
背中を向け続けた自分自身に。
いつからか、本音は言ってはいけないものなのだと思い始めた。
始まりは、まだ本当に小さな頃だったと思う。
本音は誰かを不快にさせ、その顔は私を傷付けると知ったから。
だから、嘘を吐くことにした。