この声が枯れるまで
「………また来たの?」


俺が屋上にいる時、長尾はいつも屋上にやってくる


俺のギターの曲を聞くために


「うん!今日は何弾くの?」


だれもいない屋上はいつしか、俺たちの秘密基地のようになっていた


昼休みのたったの15分間

俺はこの15分を楽しみにして学校に通っている


それはなぜか


答えは一つしかない


そう


俺は長尾が好きだ

今まで恋なんてしたことがなかった

恋より音楽だった


でも今では……長尾も音楽と同じくらい好きになってしまったらしい。


もうこの気持ちは、止まることはないと思った。


一度乗ったジェットコースターには、途中で降りる事はできない

今俺はそんな中にいる




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