〜夢叶〜
連絡が途絶えた
三日め

私はまい、としろう
に連絡して
えみが行きそうな場所は
全て回った

「ゆり、えみと最後に
会ったとき誰に会うっ
ていってた?」
「男と会うしか…」
「どこで?」
「新宿としか聞いてな
い」
「そっか…」
「えみは大丈夫だろ、
今頃ひょこっと現れる
かもよ」
としろうは不安げな顔
しながら笑ってみせた

「あっ!」

前、クラブにいたマンバ達
がセンター街前で
座りこんでいる

「あの、えみの友達で
すけど」
「あーうん」
「おとといからえみ、
見ませんでしたか?」
「クラブのとき以来
会ってないよん」
「そうですか…」
「えみに早くピンプリ用意
しろって伝えといて-」
「あ、わかりました」

朝からこんな調子だ。
もう夕方過ぎている。

「ゆり…言いにくいん
だけどさ、予備校が
あるんだよね…」
「そうだよね、ありが
とね。付き合ってくれて」「うん、ごめん…大丈
夫だよ、そのうちえみ
から連絡来るって」
「うん…じゃあね」
「またね」

まいは申し訳なさそうに
手を振って夜の渋谷の
人込みへ消えていった

「としろうは?」
「俺は9時までいいよ、
9時からはバイト先の
先輩達と打ち上げでさ」
「じゃあ、新宿ついて
きてくんないかな」

新宿ー・・・

この場所でえみは
どこに消えたの?
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