溺れる唇
最初の慌てぶりはどこへやら、
今の裕馬は真面目な顔してPCに向かう、
ちゃんとした社会人だ。
『何か手伝った方がいいかな』
そう思って声をかけようとした時、突然、
裕馬がオリンピックでゴールを決めた
選手のように高々と両手を伸ばした。
「終わった~!」
あ、そう。
もう終わっちゃったの。
別に裕馬は何もしていないのに、
私は、ぷい、と立ち上がる。
なによ。
もうちょっと、見ててもいいかな、
と思ったのに。