溺れる唇

カタカタカタ・・・

骨ばった指がキーの上を走るのを眺め、
私は組んだ足先をぷらぷらと揺らした。

「ねえ、まだ終わらないの?」


経過時間27分。

私の作業は思ったよりもスムーズに
終わり、ハードディスクから取りだした
目当てのデータを裕馬に手渡していた。

「デキる女でごめんなさいね~☆」

うふふ、と笑った私を見上げ、裕馬は
指先で目頭を揉むと、

「ありがとう」

素直に受け取って作業を再開した。


仕事モードに入っちゃったのは、
私だけじゃないみたい。


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