【BL】咲き散る桜の元で…
俺が掴んでいた手に力が入る。
「……分かった」
その声はとても小さかった。
「裏門から外に出てください。私は正門の様子を見てきます。私のことを待つ必要はありません。分家の方へ逃げてください。いいですね?」
時塚様がグダグダしている間にも、足音が近づく。
「時塚様!」
「さっき言いたかったこと、絶対言うから。だから生きて戻ってこいよ。」
「はい」
抱きしめる代わりに、頭を撫でた。
「上総、」
「?」
「願いは叶えるために、誓いは守るために、約束は果たすためにある。」
「分かっています。」
「来年も再来年も…一緒に桜を見に行こう。」
そうアナタが笑うから、俺は少し切なかった。
「行ってください。」
これ以上見ていたら、手放せなくなる。
時塚様が駆けていく。
例えこれが最後でも、
アナタの笑った顔が見れたから俺は幸せ者ですね。
複数の銃声が俺の体を突き抜ける。
来年も再来年も、桜とアナタの笑顔を愛でたいですね。