幸せ家族計画
「もしかして。妊娠してるの?」
小さく頷く。
ショートボブの髪がふわっと揺れた。
「おめでとう」
私の口をついて出た言葉は、それだったけれど、
顔をあげた彼女を見た途端、言葉を失くしてしまった。
涙が潤んでいて、表情には戸惑いが見え隠れする。
「どうしたの? 達雄……さんには言ったの?」
「彼にはまだ、言ってません」
「どうして?」
「それは……」
綾乃ちゃんはちらりと紗優を見る。
そうね。
子供の前ではちょっと話づらいか。
「紗優、お風呂にお湯張るから。お風呂の準備しておいで?」
「えー」
「だっていつももう入る時間でしょう」
「はぁい」
不満げにそう言うと自分の部屋にパジャマをとりに行った。